精密滾珠螺桿 / 技術資料
1.ボールねじの特徴
- (1)高精度と高い信頼性
ねじ軸とナットは、特別に処理された材料を適切に熱処理を施し、なおかつ恒温管理した工場内で優れた機械により研削加工をしております。また、材料から組立ておよび検査まで一貫した工程で行っており、高精度で高い信頼性を保証します。
- (2)低価格・短納期
多品種少量品を計画的に一度に生産することで低価格で短納期に対応しています。
- (3)長寿命
ねじ軸、ナットを熱処理した後に転動面を研削することで磨耗性は極めて少なく初期の精度を長期間維持することができます。
- (4)高い伝達効率
ボールねじは、ねじ軸とナットが転がり接触しているため摩擦が小さく、極めて高い伝達率が得られます。また、駆動トルクは滑りねじに比べて1/3です。
2.ボールねじの構造
循環方式
●リターンチューブ方式
量産に適した循環方式で、ねじ軸とナットの間を転 がっているボールがリターンチューブの先端によって、 ねじ溝から取り出され、チューブの中を通って再び 戻って転がる循環方式です。
ねじ溝形状
●ゴシックアーク溝
ねじ溝形状には、ゴシックアーク溝を採用してお ります。ゴシックアーク溝は、軸方向スキマを小さく でき、また1個のナットでもスキマを0にして与圧を かけることにより、さらに高い剛性を得られます。
3.材質および硬度および潤滑
4.リード精度
精密ボールねじのリード精度はJIS規格に準拠し、次に示す諸特性で精度管理されています。それらの 特性の定義と許容値を以下に示します。
累積基準リードの目標値
ねじ部有効長さに対する累積基準リードから累積呼びリードを引いた値。温度変化や外部荷重による軸の変異を考慮して、あらかじめ累積呼びリードから補正して設定する。その値は実験または経験によりきめる。
累積実リード
実際に測定された累積リード 。
累積代表リード
累積実リードの傾向を代表する直線で、累積実リード曲線から最小二乗法またはそれに類する近似値により求めた直線。
累積代表リード誤差
累積代表リードから累積基準リードを引いた値。
変動
累積代表リードに平行に引いた2本の直線ではさんだ累積実リードの最大幅でe,e300,e2πで規定される。
v:ねじ部の有効長さに対する最大幅
v300:ねじ部の有効長さ内で任意にとった300mmに対す
v2π:ねじ軸の1回転内で、任意の回転角に対応するナットの軸方向進み量の実測値と基準値の差の最大幅(よろめき)。
5.リード精度(許容値)
6.リード精度(許容値)
7.取付部精度
(1)・(2)ねじ軸の溝面に対する支持部外径の半径方向向円周ふれこの項目には(8)ねじ軸軸線の半径方向全振れの影響が含まれますので、補正を行う場合があります。
(3)ねじ軸の支持部軸線に対する部品取付部の半径方向円周振れ
(4)・(5)ねじ軸の支持部軸線に対する支持部端面の直角度
(6)ねじ軸の直線に対するナット基準端面または、フランジ取付面の直角度
(7)ねじ軸の直線に対するナット外周面の半径方向円周振れ
(8)ねじ軸軸線の半径方向振れ